阪神の投手陣にまた楽しみな戦力が加わった。26日に甲子園球場で行われた巨人戦で今季初先発の2年目左腕、桐敷が7回を散発5安打1失点でプロ初勝利。初のお立ち台では、少し照れくさそうに「とてもうれしい」と笑みを浮かべた。
「初回から全力で飛ばすと意識していた」と話す通り、思い切り腕を振り、球威のある直球で押していった。失策も絡んで4イニングで先頭打者を出したが、変化球も尻上がりに調子を上げ、10三振を奪った。
新潟医療福祉大から2022年ドラフト3位で入団。1軍登板は昨年7月7日の広島戦以来だった。昨年は開幕ローテーション入りしながら、白星を手にできず、今季の開幕も2軍。「不安な気持ちはあったが、そこは切り替えてやってきた」と話す。同期入団の投手の中で一番早く初白星を挙げ、「やっとスタート地点。ここからまた頑張る」と気合を込めた。
この日の巨人戦で選手たちは「伝統の一戦」の起源とされる1リーグ初年度だった1936年当時をモデルにした復刻ユニホームを着用した。「特別な一日になった」と23歳左腕。岡田監督も「先発投手陣が頑張ってくれているので助かっている」と話し、若武者たちの活躍に目を細めた。(嶋田知加子)