少年事件記録「殺人でなければ廃棄でいいのか」 京都・亀岡暴走事故の遺族が憤り

産経ニュース
亀岡暴走事故から11年を迎え、現場で手を合わせて冥福を祈る遺族の中江美則さん(中央左)=4月、京都府亀岡市(渡辺恭晃撮影)
亀岡暴走事故から11年を迎え、現場で手を合わせて冥福を祈る遺族の中江美則さん(中央左)=4月、京都府亀岡市(渡辺恭晃撮影)

京都府亀岡市で平成24年に起きた少年の無免許暴走事故でも、逮捕された当時18歳の運転手や同乗者ら6人に関する記録が既に廃棄されていた。最高裁は25日に公表した調査報告書で廃棄の経緯に言及。京都家裁の担当管理職が「罪名が殺人などの重大なものでなかった」「少年記録はプライバシーの問題から原則廃棄と考えていた」と思い込み、所長らに確認することなく廃棄の手続きを進めたという。

「殺人でなければ記録を廃棄してもいいのか。なぜ廃棄の際に遺族に相談しなかったのか」。事故で妊娠中だった長女の松村幸姫(ゆきひ)さん=当時(26)=を失った中江美則(よしのり)さん(59)は、報告書の内容に憤った。

記録廃棄が昨年10月に発覚すると、中江さんは動いた。今年3月には、京都家裁が記録を廃棄した理由を説明するよう求める要望書を最高裁に提出。同月、最高裁で実施された非公開の意見聴取では「廃棄は大切な家族を失った遺族をさらに傷つけ、追い打ちをかける行為だ」と再発防止を強く求めた。

最高裁がこの日、記録廃棄の責任を認めたことは重く受け止めている。「将来、遺族が事件のことを振り返るときにどうすればいいのか。保存の基準や管理を明確にすることが裁判所の責務だ」と話した。

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