同時期にスタートさせたのが「社内副業」制度だ。リモートワークを活用し、希望する他部署の仕事ができる。現在、3期目に入り、28人が活用している。副業期間は半年から1年で、勤務時間は、1カ月20時間前後となっている。
社内副業制度は新たな領域で自分の力を発揮してみたいという社員にとって貴重な機会となっている。地方勤務の社員が、今後のキャリア構築を見据えて、本店の業務を経験してみたいというケースが多い。
「社員が働きやすい環境を整えていくことが私たちの使命。これからもさまざまなことに挑戦していきたい」と森さんは意気込む。 (危機管理・広報コンサルタント 山本ヒロ子) =次回は6月10日掲載
■森裕佳子(もり・ゆかこ) 2003年名古屋大卒、アサヒ飲料入社。05年本社マーケティング部で商品企画担当として、「三ツ矢」など飲料のブランド戦略に携わる。16年人事総務部。採用、研修、人材育成を担当。22年から現職。自宅では小5、小2、年長の母親。42歳。
■アサヒ飲料 アサヒグループホールディングス傘下で国内の清涼飲料水部門を担う。1982年三ツ矢フーズとして設立。96年現社名に変更。2022年12月期の売上高3673億円。従業員数約3300人。代表取締役社長/米女太一。
■山本ヒロ子(やまもと・ひろこ) 早大卒。40年以上にわたり、企業や自治体、大学の危機管理と広報活動について取材。コンサルティング活動も行っている。取材件数は延べ2000社以上にのぼる。経営情報学修士(MBA)。