兵庫県立美術館(神戸市中央区)で3月から開催され、今月31日から東京・上野の森美術館に巡回する特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」の無料音声ガイドに、女優の南沙良さん(20)が初挑戦した。柔らかい語り口で、来館者を太古の世界への旅にいざなっている。
恐竜絵画の名品・珍品約150点が世界各国から集結した本展。19世紀の化石発掘を機に恐竜が広く知られて以降、研究者と芸術家が協力し、つくり上げてきた「絶滅した巨大生物の復元図」の歩みをたどる内容となっている。
南さんは演技力とみずみずしい存在感でさまざまな映画賞を受賞するなど、高い評価を得ている新鋭。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、源頼朝の娘、大姫役をはつらつと演じた。
注目の若手女優と恐竜という、一見不思議な組み合わせだが、南さんは「念願のお仕事」と顏をほころばせる。実は大の恐竜好き。「昔から巨大な生き物が好きで、自分が横に立ったらどんなに小さいんだろう…と想像すると、『ワーッ』となっちゃうんです」
音声ガイドのナレーションは初挑戦だったが、「普段使わない言葉が多くて難しかったところもありますが、ワクワクした気持ちで収録できました。みなさんもワクワクしながら聞いていただければ」。
今回は、化石ではなく恐竜絵画の展覧会。「絵だからこそ、皮膚の質感が細かく描かれていて、想像しやすい。200年間で恐竜の姿がいかに変わってきたかが分かって面白い」という。中でもお気に入りの作品は、「不気味でひかれる」というホーキンズの「ジュラ紀初期の海棲爬虫(はちゅう)類」。「ほかにも、ポップだったり緻密だったり、いろんな作品があります。ぜひお気に入りの一作を見つけてください」
同展は7月22日まで。