千葉県市原市は24日、使い終わった食品トレーなどを化学的に分解して再利用する「ケミカルリサイクル」の取り組みを進めるため、7月から市内2地区で使用済みの食品トレーなどの試験回収を始めると発表した。化学メーカーが市内で来年前半にもケミカルリサイクル設備の稼働開始を予定しており、同市は来年秋ごろには市内全域で回収を始めることを目指している。
回収の対象となるのはポリスチレン製品で、食品包装で使われる発泡トレーやカップ麺のどんぶり、納豆容器、乳酸菌飲料やヨーグルトの容器-など。7月から五井と国分寺台の一部地域(約1500世帯)を対象に、週1回の資源ごみの日に試験回収を始める。
化学メーカーのデンカは同市五井南海岸の千葉工場内で、ケミカルリサイクルを手がける設備を来年前半に稼働開始させる予定。同市はこれを踏まえ、来年秋ごろには市内全域で使用済みポリスチレン製品の回収を始めることを目指す。
小出譲治市長は24日に開いた記者会見で「国内最大級のコンビナートを擁する本市だからこそ、このプロジェクトを成功させ、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現につなげる」と意気込みを語った。