SMBC日興相場操縦 元副社長、買い支えに「ありがとう」

産経ニュース

SMBC日興証券を巡る相場操縦事件で24日、東京地裁(神田大助裁判長)で開かれた同社元副社長、佐藤俊弘被告(60)=金融商品取引法違反(相場操縦)罪で起訴=やエクイティ部元部長、山田誠被告(45)=同=ら5人の初公判。検察側は、投資家の空売りを招く恐れがあるブロックオファー取引の問題点を把握していたにもかかわらず、SMBC日興証券で敏腕トレーダーとして知られた山田被告を中心に違法な買い支えが続けられた今回の事件の組織性を指摘した。

検察側の冒頭陳述によると、一連の事件のきっかけは令和元年12月、自動車関連メーカーの株のブロックオファー取引だった。

取引当日、ブロックオファーで株を売ろうとしていた大株主がSMBC日興の市場調査担当が公表したリポートで、株価の予想値が下方修正されているのを見て「株価を意図的に引き下げているのではないか」などと同社に連絡。

営業部門のエクイティ・プロダクト・ソリューション部元部長、岡崎真一郎被告(57)から相談を受けた山田被告は、上司の元執行役員らとも協議し、大株主が取引を中止しないよう、その日のうちに株の買い支えを決行した。その後、ブロックオファーが無事に成立したことから買い支えが繰り返されるようになったという。

別の銘柄の取引では、副社長だった佐藤被告も了承を与えていた。3年4月、ブロックオファー対象の株が値下がりすると、山田被告は佐藤被告らに「これ以上下がるようなら出動します」と買い支えを示唆するメールを送信。その後、大量の買い注文で株価を上昇させた。山田被告の報告に対し、佐藤被告は「どうもありがとう」と返信したという。

一方、この日の法廷で5人の被告はいずれも徹底抗戦の構えを見せた。

弁護側は一連の株の売買には「投資家に判断を誤らせるほどの危険性はない」と主張。今後、大学教授らを証人として呼び、違法性を否定していくとした。

SMBC日興相場操縦事件 元幹部ら初公判で無罪主張

今、あなたにオススメ

izaスペシャル

  1. 値上げしてもよいと思うもの 3位「おむつ」、2位「ビール」、圧倒的1位は?

  2. 藤井棋聖、棋聖戦第1局の地・ベトナムでフォーなどを味わう「おいしかったです」/将棋

  3. 石川佳純、モデルのような写真に「美しすぎる」と海外からも反応

  4. 「ガーシー逮捕」「ニュース速報」トレンド入り 帰国次第逮捕へ ツイッターで驚く声相次ぐ

  5. 豪雨避難の乗客に賞味期限切れ「五目ごはん」 JR西、非常食で配布

今、あなたにオススメ