巨人は23日のDeNA戦(東京ドーム)で元G戦士の平良拳太郎投手(27)に掌の上で転がされた。2位を争う直接対決で大の苦手を作ってしまった要因は、元同僚ゆえに持ってしまった〝上から目線〟にある。
内外角、高低に投げ分ける平良の巧みな投球術にはめられ、巨人打線はゴロを量産。7回無失点に封じられた。前回も6回0封されており、平良の今季3勝のうち2勝を献上。原辰徳監督(64)も「敵ながらあっぱれですよね」と賛辞を贈るしかない。大久保打撃チーフコーチは「対策がなかったわけじゃない。ただ『低めに手を出さないようにいこう』と言っても、意識が低めに行っちゃって手を出させられる。目付けを高めにしないといけないんだけど」と歯がゆそうに話した。
沖縄の無名高から2013年ドラフト5位で巨人入りした平良は、1軍登板わずか1試合のまま17年1月に山口俊の補償でDeNAに移籍。定評のあったハートの強さに加え、低めに集める投球術を身につけた。
巨人時代のイメージを引きずった元同僚たちには油断があるようで、球団関係者は「確かにびっくりするようなスピードもないし、スライダーがめちゃくちゃ曲がるわけでもない。でもウチにいたころの実力じゃない。『いつでも打てる』なんて上から目線で行ってるからやられっぱなしになる」と苦言を呈する。
「次はDeNAのエースくらいの気でいきます」と大久保コーチ。Gナインも同じ心構えで、徹底した〝下から目線〟が必要になりそうだ。 (片岡将)
巨人―DeNA8回戦(4勝4敗18時、東京ドーム、4万71人)
DeNA104000010-6巨 人000000003-3
(勝) 平良5試合3勝1敗
〔敗〕 赤星6試合4敗
(本) 牧9号①(菊地)、岡本和8号①(坂本)、秋広3号②(上茶谷)