京都府京丹後市は、農産物などの販売を手掛ける「三豊」(同市)と連携し、返礼品開発を行う取り組みを支援する「ふるさと産品創出支援事業(#ふるさと納税3・0)」の第3弾として、京丹後産のサツマイモ「紅はるか」を使用した冷凍焼き芋の開発プロジェクトに乗り出した。事業化に向け、インターネットを通じたクラウドファンディング(CF)で急速冷凍庫の導入費用119万円の寄付を募っており、市は「地域経済の活性化や農業振興などにつなげていきたい」と協力を呼び掛けている。
同事業は企業から寄せられた返礼品開発の提案に対し、必要な資金を補助金として交付する仕組み。補助金の原資をふるさと納税を活用したCFで調達、必要な寄付額に到達すると事業を始めることができ、支援者に返礼品が届けられる。
同市によると、昨年6月に公募を初めて以降、京丹後の人気クラフトビールを缶ビールとして商品化するプロジェクトと、国産牛肉を熟成肉に加工するプロジェクトの事業化に成功。累計約9千万円の寄付が集まった。これらのプロジェクトが奏功し、「令和4年度のふるさと納税による寄付額は約15億円と前年度の1・6倍に達した」(ふるさと応援推進課の担当者)。
同市は京都府内でトップのサツマイモ生産量を誇る。今回のプロジェクトは、質の良さに定評がある京丹後産の紅はるかの焼き芋を急速冷凍することによって特徴である濃厚な甘みやうまみを逃さないようにし、レンジで温めるだけで焼きたての味を楽しめるようにするというもの。急速冷凍による品質の維持に加え、利便性、保存性の向上が実現できる利点もあるという。
1万円を寄付すると、返礼品として冷凍焼き芋3キロが、7千円なら2キロが贈られる。目標額の119万4千円に達した場合、来年1月初旬頃に急速冷凍庫を導入し、同月中旬以降、返礼品の発送を順次始める予定。
募集期間は12月31日までで、市のふるさと納税特設サイトなどで寄付を受け付けている。同担当者は「これまでのプロジェクトの反響が非常に大きかったこともあり、今秋をめどに第4、第5弾のプロジェクトを打ち出す方向で検討を進めていく」と話している。