兵庫県芦屋市は24日、JR芦屋駅南地区の再開発事業について、計画の一部を見直すため、すでに始めているビル建設の事業者の募集を中止すると発表した。4月の市長選で史上最年少の26歳で当選した高島崚輔市長が選挙時から計画見直しを喫緊の課題として挙げていた。今後、新たな募集要綱を作成し、再募集をかけるとしている。
再開発は、十分な歩道が確保されていないなど、歩行者にとって危険な状態となっている同駅南側の交通課題を解消した上で、11階建てのビル2棟を新たに建設し、その中に商業施設や住宅などを整備する計画。今年4月7日に募集要綱を公表してビル建設などを行う事業者の募集を始め、8月中に事業者を決定することになっていた。
この日、記者会見した高島市長は「芦屋の玄関口にふさわしい場となるよう計画を見直す」と述べ、芝生広場を設けるなど緑豊かな場にする▽施設内に図書館など人々が集える場をつくる▽40年後にも柔軟に対応できる余裕のある計画にする-など「5原則」に沿って募集要綱を作り直し、事業者の再募集を行う考えを示した。また、市民からも市ホームページ上で意見を募りたいとした。
すでに管理処分計画が進んでいることから、白紙に戻すことはせず、「地権者の生活を守るためにも、計画が大幅に遅れることがないようスピード感をもって取り組む」と強調した。
史上最年少となる26歳で市長に就任した高島市長は4月の選挙戦の時から「駅を降りて最初に目にする光景がただのマンションでいいのか」と訴えていた。