ロシアのミシュスチン首相と中国の李強首相が24日、北京で会談した。中露は連携を強化し、台湾やウクライナ情勢でそれぞれ対立する米欧に共同対処していく方針を改めて確認する思惑だとみられる。先進7カ国(G7)が対露制裁の厳格化を打ち出す中、ロシアには中国との貿易拡大で制裁に対抗する狙いもある。ミシュスチン氏の訪中は、2020年の首相就任後、初めて。
タス通信によると、ミシュスチン氏は李氏との会談で、中露関係が「前例のない高水準」に達していると指摘。両国関係を特性付けているのは「互いの利益への尊重と、欧米側からの不当な制裁圧力の強まりに協調して対応していこうとする意欲」だとも主張した。
ミシュスチン氏は、今年の中露の貿易額が2000億ドル(27兆円余り)に達する見通しだと指摘。決済の70%以上が両国通貨で行われているとも述べた。
李氏は「中露間の実務協調には輝かしい見通しがある」と語り、中露間貿易を拡大する意向を示した。
中露政府は、穀物取引の円滑化やサービス分野での投資拡大、知財分野での協力などに関する5つの共同文書に署名した。