富士通の時田隆仁社長は24日、コンビニエンスストアでの証明書交付サービスを巡るトラブルについて、「お客さまをはじめ関係者のみなさまに多大なるご心配、ご迷惑をおかけしていることについて、改めて深くおわび申し上げる」と陳謝した。
トラブルが続発しているのは、コンビニでマイナンバーカードを使って住民票の写しなどを受け取れるサービス。富士通子会社の富士通Japanがシステムを提供し、約200の自治体が利用しているが、横浜市や川崎市など多くの自治体で他人の証明書の誤交付が相次いでいる。
同日行われた新中期経営計画の発表会に出席した時田氏は、原因究明や再発防止策について「個別事象への対応を含め具体策まで踏み込んで決定し、迅速に実行していく」と強調した。原因については「共通の原因があるというより、個別事情に依存するところが多い」と説明。「直接的な原因については修正を終わっており、範囲も限定されている。次から次に起きるとは、今のところ思っていない」とも述べた。
一方、関係者の処分については「私の口から申し上げる段階ではない」と述べるにとどめた。
富士通は23日、システムを利用する自治体に一斉点検を申し入れたと発表。自治体が受け入れれば、点検中はサービスの利用ができなくなる。点検期間は、サーバーを自治体に設置して提供するサービスが今月28日まで、データセンターから提供するクラウド型のサービスは6月4日まで。すでに点検を終えた自治体もあるという。(井田通人)