奈良県議会(定数43)は24日、正副議長選を行い、議長に岩田国夫氏(75)=7期目、副議長に池田慎久氏(54)=3期目=を選んだ。2氏はともに県議会の最大会派「自由民主党・無所属の会」(22人)の所属。4月の統一地方選で勢力を伸ばした日本維新の会に対抗するため分裂していた自民会派が一本化、正副議長を独占する形となった。任期は慣例で1年。
「維新も色々な提案をしてくると思う。私どももきっちりとした対案を出していきたい」。2年連続3回目の議長選出となった岩田氏は記者会見を開き、会派で一丸となって維新と対峙(たいじ)する姿勢を打ち出した。
自民会派は、過去には正副議長選でポスト争いから分裂したことがあり、改選前も3会派に分かれていた。しかし4月の県議選で、維新が3議席から14議席へと躍進。危機感を抱いた自民県議らが15年ぶりに会派を一本化し、単独過半数を確保した。
今回の正副議長選で、自民会派は過去の反省を踏まえて一部幹部の意向で候補を決めるのではなく、立候補制にして全員で話し合って決めることに。ただ、誰を議長候補にするか意見がまとまらず、議論は難航。24日の会派総会で投票を行い、岩田氏に決めた。
その後の臨時議会での投票では、議長選で岩田氏、副議長選で池田氏が、ともに最多の28票を得て当選。維新会派は維新議員2人にそれぞれ投票することを決めたが、及ばなかった。
維新幹部は、他会派からも自民の候補2人に票が流れていたことを指摘し、「大阪と同じように、維新対他党の構図。数では負けているが、われわれのやりたい改革に淡々と取り組んでいくだけだ」と述べた。