静岡県沼津市は23日、必要な手続きを踏まないまま老人ホーム「フレミアこがね」(同市)の入居者の身体的拘束をしたとして、運営会社「フレミア」に、老人福祉法に基づく改善命令を出した。6月30日までに改善報告の提出を求めているが、改善が見られない場合は事業停止命令なども検討する。同施設では過去にも同様の身体的拘束が行われ、市は指導を続けていた。
市によると、昨年11月、不適切な身体的拘束がされていると匿名の情報提供があり、市は12月に立ち入り検査を実施。職員への研修などがないまま、ベッドを柵で囲ったり、車いすに帯で拘束したりするなどの行為があったと認定した。不適切な拘束は計8人に行われ、いずれも精神疾患や身体疾患があったという。
市はこれまで2回の定期調査でも同様の事例を確認しており、同社に是正を求めていた。国は高齢者の身体的拘束をなくすためのガイドラインを示しているが、同施設では拘束が常態化していたとみられる。