長く険しいシーズンの先を見据え、一人でも多くの選手を戦力として組み込もうと手を尽くしている。ミエセスも島田も状態は悪くない中で、この日は右翼スタメンに19日に昇格させたばかりのD1位・森下を組み込んだ。そして、即サヨナラ打という大仕事を成し遂げさせた。西純、森下がたくましく育ったとき、この「2023年5月20日」が大きなターニングポイントだった気が、今からもうしている。
ビヤ樽は8月で59歳になる。残されたわずかな時間で、後輩記者らに何を伝え、残していけるか-。岡田監督の姿を見て学び、考え込む日々だ。
「僕がいつも言うのは『背中を見てくれ』ということや」
ほぅ…。どういうことなのだろうか。
「きょうも伊藤将が、僕の顔を見るや『あっ、いたんですね!』と満面の笑みで話しかけてきてくれたんや。周りの人らも『将司との間に一体何があったんですか!?』と驚いとった。何もないんやけどな。そういう僕と選手との接し方とかを見て、感じていってほしいんや」
なぜビヤ樽にひかれてしまうのかは、伊藤将クンにぜひ聞いてみたいところだが…。中日担当だった数年前には某T選手から親しみを込めて「ドラえもん」と命名されたこともあるビヤ樽。後輩たちに見てほしい背中とは、誰からも愛される?その丸っこい体のことなのかもしれない。