歌舞伎界の革命児に何があったのか。18日、自宅で自殺を図ったとみられる歌舞伎俳優、市川猿之助(47)。役者として命をかけてきた舞台を捨ててしまいかねない暴走に及ぶほど、心が壊れてしまったのだろうか。そこには歌舞伎界にひそむ闇までも浮かび上がってくる。
セクハラ報道 共演者に「性的スキンシップ」求め、断られるとクビ
猿之助は3日から東京・明治座「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」で昼夜2公演に出演していた。6月から8月にかけても東京・歌舞伎座で3連投することになっていた。見る者を納得させる芸と知性あふれる表現力に定評があり、古典から新作まで幅広い芸で観客を魅了。歌舞伎界を支えるキーパーソンであることは言うまでもない。
しかし、この日発売された女性誌「女性セブン」は、猿之助の別の一面を伝えていた。共演する役者たちにキスや体を触るなどの「性的スキンシップ」を求めていたとするハラスメント疑惑を報じたのだ。
それを断ったスタッフが公演から外されたこともあったとし、キャスティングや裏方にも影響力を持つ猿之助に対し、周囲が「拒否できない雰囲気」だったともしている。
ある歌舞伎関係者は「この報道の真偽は分からないが、歌舞伎には江戸期から性と芸が密接に関係してきた歴史がある。時代が変化し、これまで隠されていた闇の部分が、表に出てきた印象を抱いた」と指摘する。