三重県桑名市の多度大社で4日開かれた「上げ馬神事」で、転倒して負傷した馬1頭を安楽死させていたことが19日、同大社への取材で分かった。大社は「馬に一番負担にならない適切な処置が取られた」とホームページで見解を公表した。
上げ馬神事は土壁を越えた回数で農作物の豊凶などを占う伝統行事。地元の若者が馬に乗り、約2メートルの土壁を駆け上がる。馬を興奮させるためにたたくなどの行為が動物虐待に当たるなどの批判があった。
多度大社によると、馬は土壁を駆け上る際につまずいて足をくじき、転倒。鎮痛剤が投与され、獣医師が約1時間後に安楽死させたという。
多度大社が18日に発表した見解は「献身的に祭馬に向き合い、愛情を持って飼養している。奉納団体・関係団体との連携を密に、動物愛護法をはじめとする関係法規を順守し、歴史的価値、文化的価値が損なわれることのないよう努める」とした。