国際エネルギー機関(IEA)が16日に公表した石油月報によると、ロシアの4月の原油と石油製品の輸出量はウクライナ侵攻後で最も多い日量830万バレルを記録した。輸出収入は3月と比べて17億ドル(約2300億円)増の150億ドルに上った。
先進7カ国(G7)を中心にロシア産原油や石油製品の取引価格に上限を設ける制裁が発動され、ロシアは戦費調達のために輸出量を増やすことで収入減を抑えようとしたとみられる。欧州への輸出が大きく減少する一方、中国とインド向けが大部分を占めた。
ロシアは3月から日量50万バレルを自主的に追加減産する方針を示したが、IEAは「われわれの推定によれば、完全には実行しなかった」と分析した。「買い手に苦労することはあまりなさそうだ」とも指摘した。
ロシアの2021年の平均輸出量は日量750万バレルで、22年は同770万バレルだった。(共同)