東京都江戸川区の住宅で2月、住人の契約社員、山岸正文さん(63)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された区立中教諭、尾本幸祐容疑者(36)が、犯行時刻に勤務先の学校にいたかのような「アリバイ工作」を行っていた疑いが浮上した。山岸さん宅では不審な足跡が複数見つかっており、警視庁小松川署捜査本部は、尾本容疑者が住宅に侵入し、物色した際に付いた可能性もあるとみて調べている。
尾本容疑者は2月24日午後6時半ごろ、帰宅した山岸さんを刃物で複数回、切り付けたり刺したりするなどして殺害した疑いがもたれている。ナイフは山岸さん宅のものとみられ、刃体部分はなくなっている。
学校側によると、事件当日は定期考査が行われていた。尾本容疑者は事前に申請し、午後に休暇を取っていたが、捜査関係者によると、タイムカードには午後7時15分に退勤したという記録が残っているという。
山岸さんは3階建て住宅の玄関付近で血を流して倒れていたが、複数の階で不審な足跡が見つかった。80代の母親と2人暮らしだったが、いずれのものとも異なっていた。尾本容疑者は事件前後、約10分間住宅内にいたとみられ、住宅に侵入し、物色した際に付いた可能性もある。