茨城海上保安部は12日、工場から法定の基準値を超える汚水を排出したとして、水質汚濁防止法違反の疑いで、法人としての水産加工販売マルハニチロシーフーズ(茨城県ひたちなか市)、同社の藤森敏社長(63)、水質管理担当の社員1人を書類送検した。同社は水産大手マルハニチロ(東京)の完全子会社。サケの切り身などを加工、販売している。
書類送検容疑は令和3年12月~今年2月、5回にわたり、水質の濁りを示す浮遊物質量が法定の基準値を超えていると知りながら、汚水を違法に排出した疑い。
海保によると、4年10月ごろ、ひたちなか市の那珂湊港につながる排水口から、茶色い汚水が排出されているのを発見。経路を特定し、今年2月に同社を家宅捜索した。取り扱う原料の比率が変わり、加工の際に出る汚水が増え、浄化処理が追い付かなくなったことなどが原因だという。