ソフトバンクの宮川潤一社長は10日の決算会見で、文章や画像、プログラムなどを自動作成するため活用の場が広がる対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の活用について「死ぬほどポジティブ(積極的)」だと強調した。その上で、同社やグループのLINE(ライン)などと合弁でチャットGPTの活用法を探る新会社を3月に立ち上げたことを明らかにした。
宮川氏はチャットGPTなどAIの急激な進化について、「(AIが人間の知能を超える)シンギュラリティがとうとう来たかという感覚だ」と評価。機密情報を入力しないことや法令順守を条件とした上で、「(チャットGPTを)使い倒せ」と全社員に一斉メールを送って活用法を探るよう指示したことも明らかにした。
親会社のソフトバンクグループの孫正義会長兼社長も今月、チャットGPTの活用法についてグループ内のエンジニアを集めて講演を行うなど、活用の拡大に積極的な姿勢を示しているという。
宮川氏はグループのLINEがコールセンターのサービスなどで、チャットGPTに使われている米オープンAIの開発したAI「GPT」をこれまでも活用していたことを踏まえて、「LINEとソフトバンク、PayPayの連合でどういうことをやればオープンAIに追いつけるかをガリガリやっている」と語った。
その上で3月にソフトバンクなど3社の合弁でエンジニアを集める新会社を設立したことを明かし、新会社では1千~5千人規模でGPTの活用法を探っていく方針を示した。(大坪玲央、根本和哉)