第5話では、テレビに出たくてさまざまなオーディションにチャレンジする若林と、ピン芸人を卒業して新たなコンビを組みたい山里の2003年の時代が描かれる。
25歳の若林と春日は、「ナイスミドル」として、人気バラエティー番組「エンタの神様」のオーディションを受けるが撃沈。50回以上、いろいろな番組のオーディションを受けるが、ことごとく落ちて売れる気配がしない。頭を抱える若林は、客をいじる漫才や世間を斬る時事漫才に挑戦し試行錯誤を重ねるが、自分がどこへ向かっているのか分からなくなる。そんななか、徳義がまた仕事を辞めて車上生活を始める。「どうしようもないね」と、若林は気にも留めないが、これが後に思わぬ事態に発展する。
山里は、イタリア人として劇場に立ち続けるものの依然として手応えはなし。東京から来た高山に変な目で見られ、現場スタッフからは「ネタが気持ち悪い!」と罵倒される始末。自信を失いかけた山里は、公園で出会った丸山花鈴(渋谷凪咲)から思わぬヒントをもらう。商品開発の仕事をしている花鈴は、企画で勝つために、まだ誰も知らないデザートを探していると言う。花鈴が発した何げない言葉にピンときた山里は一念発起。ライバルの少ない“男女コンビ”に活路を見いだすと、劇場でよく顔を合わせる「しずちゃん」こと山崎静代(富田望生)を相方候補に選定する。「西中サーキット」というコンビを解散したばかりのしずちゃんに声をかけようとするが、すでに他の人から誘われていたようで諦める。そんな山里は、花鈴に背中を押されてしずちゃん獲得作戦に動き出す。