(セ・リーグ、ヤクルト10×―9DeNA、6回戦、DeNA4勝2敗、5日、神宮)ヤクルトは「こどもの日」の5日、DeNAに今季2度目のサヨナラ勝ち。1点を追う九回、昨季遊撃の定位置をつかんだ高卒4年目の長岡秀樹内野手(21)が、野球人生で初のサヨナラ2ランを右翼へ放った。セ・リーグ記録にあと1本に迫る両軍計11本塁打の乱打戦を制した。村上宗隆内野手(23)が2試合連続の4号2ランを放つなど、6本塁打を含む16安打10得点で打線がつながり連敗を2でストップ。3位に浮上した。
昼の神宮で季節外れの〝花火大会〟。そのフィナーレを飾ったのはホームランだった。両軍合わせて11発のアーチが飛び交った乱打戦に、今季本塁打なしだった長岡がけりをつけた。1点を追う九回2死一塁。右翼席へプロ初のサヨナラ本塁打となる1号の逆転2ランをほうり込んだ。
「サヨナラホームランは人生初。本当によかった」。ヒーローは歓喜のウオーターシャワーを期待したが、興奮気味のナインの多くは頭をたたく手荒い祝福で迎えた。「(本塁で)水をかけられるのが憧れだったのですが、(仲間に)予想外すぎて準備していなかったと言われました」。味方も想定外のサヨナラ弾だった。
DeNAの守護神・山崎に対し、九回2死と追い込まれながらオスナが左前打で出塁し、迎えた打席。真ん中のスプリットを捉えると、打球は風に乗ってぐんぐんと伸びた。今季110打席目で飛び出した1号が、この試合で両軍計11本目のアーチとなった。
もがき苦しんでいた。千葉・八千代松陰高から入団4年目。昨季遊撃の定位置をつかみ、今季は背番号7に変更して勝負のレギュラー2年目と位置付けたが、開幕から打撃の調子は上がらず。試合前時点で打率は・167。「どうして打てないんだろう」と自問自答する中で、父・尚恭(なおやす)さんとの時間が思い起こされた。