盟友と紡いだ音、色あせず デビュー50周年の南佳孝が大阪で記念ライブ

産経ニュース
「順調じゃないときは、ちょっと離れてみるのもいい。無駄なことは何もない」と話す南佳孝=大阪市浪速区(林俊志撮影)
「順調じゃないときは、ちょっと離れてみるのもいい。無駄なことは何もない」と話す南佳孝=大阪市浪速区(林俊志撮影)

「スローなブギにしてくれ(I want you)」や「モンロー・ウォーク」などのヒット曲で知られるシンガー・ソングライターの南佳孝が、デビュー50周年記念ライブを5月11日、ビルボードライブ大阪(大阪市北区)で開く。「50年を振り返るような構成にしようと思う。それぞれの作品の世界観に浸ってもらえたら」。シティーポップの先駆者が心揺さぶる新旧の名曲を披露する。

都会的な新しさ

家族の影響で幼い頃から洋楽に触れて育ち、音楽の道を意識したのは中学生のときだ。ビートルズを聴いて「ドッカーンと響いた。サウンドもだけど、自分たちで曲を作り、自分たちで演奏するということが衝撃だった」

昭和48年に松本隆のプロデュースでデビューした。「(松本とは)同い年で、どちらも東京生まれ、好きな映画や小説から受けた影響、感性が同じだった」と思い返す。当時はフォークソング全盛期で「都会的で洗練された、新しいものを作ろう」と意気投合し、南のデビューアルバム「摩天楼(まてんろう)のヒロイン」は完成した。

56年には歌いだしの「Want you(ウォンチュー)」が印象的な、映画「スローなブギにしてくれ」の主題歌がヒット。そして、映画のようなストーリー性を帯び、映像が浮かぶ音楽を追求してきた2人の真骨頂が、59年リリースの「スタンダード・ナンバー」と、薬師丸ひろ子に提供した「メイン・テーマ」だ。

同じメロディーラインを持つ2つの曲だが、歌詞の「目線」が男女で書き分けられている。「松本の作詞家としての才能は言うまでもないが、プロデュース能力や時代の匂いを感じ取る力が卓越している」と盟友をたたえる。

編曲家にも恵まれ

50年は決して順風満帆ではなかったとも語った。

「順調な時は風に任せて進めばいい。風がない時の過ごし方が大事」だと、旅行や読書、料理、絵画などに目を向けた。「軸は変えずに視点を変えた。美的感覚も磨かれるし、必ず自分に返ってくる」

「南佳孝 松本隆を歌う~Simple Song 夏の終わりに」

3月にリリースした50周年記念作品第1弾となるライブ盤「南佳孝 松本隆を歌う~Simple Song 夏の終わりに」のジャケットは、収録曲「憧れのラジオ・ガール」をモチーフに、南自身が描いたものだ。

これまでを振り返り、「坂本龍一や矢野誠らアレンジャーにも恵まれ、完成度の高い(時を経ても色あせない)エバーグリーンのような音楽を作ってこられたんじゃないかと思う」と感謝する。松本を筆頭に名だたる天才たちとともに作り上げてきた音楽は、令和の世でも輝きを失わない。(杉山みどり)

デビュー50周年記念ライブは1stステージが午後6時、2ndステージが同9時スタート。問い合わせはビルボードライブ大阪(06-6342-7722)。

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