(パ・リーグ、西武0―1日本ハム、6回戦、3勝3敗、4日、ベルーナD)九回2死から安打を許し、プロ野球史上6度目の継投によるノーヒットノーランは逃したが、日本ハム・新庄剛志監督(51)は「双子? 北山君だよね? 完璧なピッチング。今日は足を向けて寝られないっスね」と上機嫌で球場をあとにした。
指揮官の言葉通り、主役は昨年3月25日のソフトバンク戦でルーキーながら開幕投手にサプライズ指名された北山亘基投手(24)だった。先発陣の駒不足から4月中旬に救援から先発に転向。プロ2度目の先発は6回75球で無安打無失点、5奪三振の快投で今季初勝利を挙げた。
「一球一球に集中して投げられたし、(三回2死三塁では)中継ぎの経験が生きたというか、ギアを上げて、三振を狙って取れた」
博学であることから、チームメートには「教授」と呼ばれる。京産大時代から独学でトレーニングやコンディショニング理論を学び、コロナ禍では足指の感覚を養うためにオンラインサロンに入会し、クラシックバレエダンサーの西園美彌氏の〝魔女トレ〟に師事。また、昨年の愛読書は「弓と禅」(オイゲン・ヘリゲル著)。一方で、今季開幕前の3月20日には、この日に決勝弾を放った万波と2人で札幌市内の真駒内滝野霊園モアイ像までドライブ観光するなど社交的な一面も持ち合わせる。
「すごくうれしいけど、今日は始まりに過ぎないので、これを継続できるかが大事」。北山〝教授〟に浮かれるところはなかった。(東山貴実)