「ストレートで押し込めた」
昌平戦で先発し、2度にわたって迎えた満塁のピンチを切り抜けた冨士は悔しさをにじませながらも手応えを感じているようだった。
1年生ながら登板した昨年の秋季埼玉県大会後にはフォーム改造に挑戦。「上半身で投げているイメージがあった」と反省し、下半身を強化する練習に取り組んだことで全身を使えるようになった。〝新フォーム〟移行後、130キロ台前半だった球速は、最速139キロまで上昇したという。
だが、関東大会への出場を賭けた試合の終盤、序盤から粘りの投球を見せていた左腕に試練が訪れる。九回に昌平打線につかまり、「変化球が甘く入ってしまった」と唇をかんだ。
夏の大会に向けて成長の糧を得た背番号1は「終盤でも真っすぐで押せるピッチャーになりたい」とさらなる成長を誓った。(山本玲)