【ニューヨーク=平田雄介】米中西部ミネソタ州ミネアポリスで2020年5月に起きた黒人男性ジョージ・フロイドさん暴行死事件で、ミネアポリスの州地裁は2日、同僚警官の暴行を傍観したとして過失致死ほう助などの罪に問われた「相棒」のトゥ・タオ被告(37)を有罪と決定したと発表した。量刑は8月7日に言い渡される予定。
ロイター通信によると、タオ被告は陪審団の審理を受ける権利を放棄し、州地裁のケヒル判事が検察側と弁護側それぞれの主張と証拠に基づき有罪と判断した。
事件では、タオ被告の同僚だったデレク・ショービン受刑者(47)=第2級殺人罪で禁錮22年6月=が偽造通貨使用の疑いでフロイドさんを取り押さえようとし、首を膝で9分29秒間、圧迫して死なせた。タオ被告は騒ぎに気づいて集まった群衆を制止する一方、フロイドさんが「息ができない」と助けを求める声に気づいていたのに暴行を止めなかった。
群衆がスマートフォンで撮影した、フロイドさんが助けを求める動画はインターネットで拡散。「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事)」と訴える抗議デモが全米に広がり、警察改革を促した。
事件を巡っては、フロイドさんの体を押さえつけた別の元同僚警官2人も過失致死ほう助などの罪に問われ、州地裁でそれぞれ禁錮3年6月の有罪判決を受け、服役している。