最高裁の戸倉三郎長官が3日の憲法記念日を前に記者会見し、裁判手続きのデジタル化について「国民の利便性向上とともに複雑な事件への対応力を高め、審理期間の長期化といった課題を解決していく契機にすることが重要だ」との考えを示した。
昨年10月には、解決にスピード感が求められるビジネス関係訴訟を専門に扱う全国初の「ビジネス・コート」が、東京・中目黒に開設。戸倉長官は「民事司法の国際競争力強化の一翼を担うことを期待している」とした上で「ビジネス・コートに限らず、デジタル技術を活用した合理的で効率的な審理の在り方を日々検討していく」と話した。
性別変更や同性婚など、多様な価値観を巡る裁判が注目される現状については「裁判官は広い視野と深い洞察力をもって事実認定や法律解釈を行い、納得性の高い判断をするという資質・能力が求められる。研修などを通じ、今後も支援していく」とした。