神戸市兵庫区の湊川公園にあるパルシネマしんこうえんで29日、第1回朝パル落語会が開かれた。パルシネマしんこうえんは1971年に開場した老舗の名画座で、地域活性化の一環として落語会を計画。ほど近い神戸新開地喜楽館が映画ファンと落語ファンをつなぐ企画に協力し、タッグを組んだ。ともに上方若手噺家グランプリで優勝経験のある若手の実力者で、2007年入門の同期、桂小鯛(38)、笑福亭生寿(39)が出演した。
落語家は舞台袖でなく、劇場後方の扉から歌舞伎の花道のように歩いて登場。トップバッターで「寝床」を熱演した小鯛は「第1回の最初が私なので緊張しました。失敗したらどうしようかと」とほっとした様子だった。「映写室で着替えました」という生寿は人情噺の「ねずみ」を演じ「いいお客さんで素晴らしい雰囲気だった。名人になった気分です」と話した。
2席終えた後には喜楽館の支配人に就任したABCシニアアナウンサーの伊藤史隆支配人(60)が登場。2人とともに普段の落語会では見かけないアフタートークが行われた。お客さんは深めの椅子にゆったり腰を掛け、噺家はスクリーンをバックに…と普段と違った雰囲気だったが、同期2人の熱演に笑いが絶えない落語会になった。