千葉県警は28日、時間外勤務手当を水増し申請して不正に受給したとして、詐欺などの疑いで旭署前次長の男性警部(53)=警務部警務課付=を書類送検し、懲戒免職とした。昨年の千葉県警の懲戒処分者数は全国の都道府県警で最多だった。新年度が始まって早々に幹部警察官の懲戒処分の発表に迫られた。
県警によると、警部は旭署の次長として勤務していた令和4年12月5日ごろから5年1月30日ごろまでの間、時間外勤務の水増し申告を10回行って時間外勤務手当約54万円を不正に受給したとしている。「住宅ローンで生活が苦しく、生活費に困っていた。幹部としてあるまじき行為で申し訳ない」と容疑を認めたという。監察官室に2月に匿名の通報があり発覚した。
成田署では減給処分
県警は28日、捜査1課在籍時に、高速道路などの料金が免除される公務従事車両証明書を不正使用するなどしたとして、成田署の男性警部補(42)を減給3カ月(10分の1)の懲戒処分とした。「勤務が深夜に及び、早く家に帰りたかった」と話したという。
警部補は高圧的な態度で部下を叱責し能力を否定したパワーハラスメントでも処分された。「何度も同じ失敗をする部下に熱が入ってパワハラのような感じになった」と説明した。
監察官室は今年になって今回の2件を含めて8件で10人を懲戒処分にしたことを明らかにした。昨年は捜査4課元警部による性的暴行事件などで全国最多の35人が懲戒処分を受けた。不祥事が続いていることについて、監察官室は「回答する立場ではないので回答できない」とした。