東北大発のベンチャー企業「ボールウェーブ」(仙台市)などが、ドローンを使って工場の煙突から出るガスを分析し、運転トラブルにより通常と違う成分が排出されるといった異変をいち早く検知するシステムの実用化を進めている。昨冬に実証実験が成功し、3月には学会で成果を発表した。高所、高温の煙突は人の手によるガス点検が難しく、ドローンの特性が生きる。災害時の活用も視野に入れる。
従来、小型化が難しいとされていたガスの種類や濃度を分析する装置の小型化に成功。手のひらサイズの1・25キロの装置を、無人航空機の運用を手がける「JDRONE」(東京)と連携してドローンに載せた。
放射線量が高い場所や、災害を含め工場以外で有害ガス発生の可能性がある場合でも役立つとしている。ボールウェーブ取締役の山中一司・東北大名誉教授は「ドローンには無限大の可能性がある。さまざまな現場で使ってほしい」と語った。