【ニューヨーク18日(日本時間19日)=山田結軌、竹濱江利子通信員】米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(28)がヤンキース戦に「2番・DH」でフル出場し、一回に7試合ぶりとなる先制の4号2ランを放って5―2の勝利に貢献した。この日は、「ルースが建てた家」と呼ばれる旧ヤンキースタジアムの開場から100周年の記念日。同じ投打の二刀流のベーブ・ルースに捧げるメモリアル弾で敵地を沸かせた。
100年の時を結ぶアーチに、ヤンキースタジアムがどよめいた。一回無死二塁、スライダーをたたいた大谷の打球が右中間へ伸びる。打球速度188キロのライナーは、昨季最優秀選手(MVP)を争った右翼手・ジャッジの頭上を越え、あっという間に柵の向こうのヤ軍のブルペンへ突き刺さった。3万人超の観衆からブーイングと歓声が注がれる中、大谷は悠然とダイヤモンドを回った。
「先頭が(二塁打で)出たので、しっかり良いスイングをして最低でも三塁に進めるように。まあ、良い結果になってよかったです」
運命に導かれたような一発だった。100年前のこの日、1923年4月18日に旧ヤンキースタジアムが開場。ベーブ・ルースが球場1号(自身の通算198号)となる3ランで花を添えた。「100周年だというのは知っていましたけど(ルースが)ホームランを打っているのは分からなかった」と大谷。投打の二刀流だったルースは当時は打者に専念。この年は41本塁打、130打点でMVPに輝き、打球が飛びにくい時代に本塁打を野球の華にした。