カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を巡り、政府は14日、大阪府・市が申請した整備計画を認定した。IR推進本部(本部長・岸田文雄首相)での判断を受け、斉藤鉄夫国土交通相が決定した。IR計画の認定は国内初。岸田首相はIR推進本部の会合で「大阪のIRは国の成長に寄与する」と語った。同時に審査を受けていた長崎県の整備計画は、国の有識者委員会で継続審査となった。
岸田首相は会合で「2025(令和7)年大阪・関西万博開催後の関西圏の発展に寄与するとともに、日本の魅力を世界に発信する観光拠点となることが期待される。依存防止対策を含めた環境整備をお願いする」とした。
大阪は令和11年秋~冬の開業を目指している。具体的な運営方法などに関する事業者との協定締結や、政府のカジノ管理委員会による審査、カジノ事業の免許交付といった手続きを経て正式な開業に至る。
米カジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナル日本法人とオリックスを中核株主とする「大阪IR株式会社」を事業者とし、大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)での開業を目指す。年間の来場者数は約2千万人、経済波及効果は近畿圏で1兆1400億円と試算する。
斉藤氏は14日の閣議後記者会見で、大阪の計画について「有識者委で約1年にわたる十分かつ丁寧な審査で『認定し得る』との評価を得た。日本最大規模の国際会議場の計画や経済波及効果が肯定的な評価を得られた」と説明した。
一方、長崎県は佐世保市のリゾート施設「ハウステンボス」の敷地で9年秋ごろに開業する計画。資金調達面で不透明さが指摘されているが、斉藤氏は審査継続の理由について「審査中のため答えを差し控える」と述べるにとどめた。
大阪府・市と長崎県は昨年4月に計画を提出。国の有識者委で審査していた。