与野党は13日の衆院憲法審査会で、9条を中心に議論した。自民党は「9条の2」を新設して自衛隊を明記すべきだとする党の改憲4項目「たたき台素案」に沿った主張を展開し、日本維新の会も同調した。これに対し、立憲民主党は明記は「不要」だと訴えた。
与党筆頭幹事を務める自民の新藤義孝元総務相は「現行憲法には平和主義の規定はあっても主権国家が有する固有の自然権である自衛権に基づく国防規定がない」と指摘。その上で「国防を担う実力組織として自衛隊を明記することは、憲法を頂点とした法体系を完成させることを意味する」と述べた。
維新の岩谷良平氏も「憲法学者の間では自衛隊は違憲とする考えが通説的な地位を占めている。現実的に必要な存在である自衛隊を苦しい解釈によるのではなく、憲法に明確に位置づけて合憲の存在とすべきだ」と歩調を合わせた。
また、公明党の浜地雅一氏は「わが国最大の実力組織に対する民主的統制の観点から書き込んでいく、民主主義・国民主義という観点から憲法価値を高めていく意味でふさわしい書きぶりを求めていくべきだ」と述べた。
一方、野党筆頭幹事を担う立民の中川正春氏は「自衛隊明記は必要ない。現状で自衛隊は合憲であり、役割と必要性については国民に十分に理解されている」と主張した。「政府・自民は憲法解釈を安保政策の見直しに合わせる形で変更していくか、9条そのものを書き換えることを考えているとしか思えない。これには強く反対をしていきたい」とも語った。