ドローン利用や単独犯のテロ警戒…警察庁長官が広島サミット会場視察

産経ニュース
森元良幸広島県警本部長(右)から、会場付近の地形の説明を受ける露木康浩警察庁長官(中央)=4日午後、広島市(荒井敬介撮影)
森元良幸広島県警本部長(右)から、会場付近の地形の説明を受ける露木康浩警察庁長官(中央)=4日午後、広島市(荒井敬介撮影)

5月に迫った先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)では、ドローンを使ったテロや特定組織に属さず単独テロを実行する「ローンオフェンダー」への警戒が強まっている。主会場となる「グランドプリンスホテル広島」(広島市南区)や市中心部は、制服姿の警察官が警備に当たる姿が目立つ。4日には警察庁の露木康浩長官が広島市を訪れ、同ホテルなどを視察。国際的注目が集まるサミットの大規模警備に向けた課題を確認した。

サミットは5月19~21日に広島市で開催され、バイデン米大統領ら各国の首脳が訪れる予定だ。首脳らの具体的なスケジュールや宿泊先は明らかになっていないが、市中心部にある平和記念資料館(原爆資料館)や、同県廿日市市の世界遺産、厳島神社がある宮島を訪問する可能性もある。

広島市中心部からグランドプリンスホテル広島がある宇品島までは約6キロ。広島空港や広島駅から会場までの移動には距離がある。100万人都市で要人らの車列を安全かつ円滑に通さなくてはならないことが交通上の課題だ。

警備面ではドローンとローンオフェンダーへの対策が不可欠となる。主会場となる宇品島は、本土側とは道路1本でつながっており、橋を封鎖すれば警備しやすい利点がある。ただ、瀬戸内海に面して島々が点在し距離も近いことから、現地を視察した露木長官は記者団に「海に囲まれているのは警備上の利点という面もあるが、ドローンという新たな脅威について陸、海を問わず想定せざるを得ない」と語った。

ロシアのウクライナ侵攻や米中対立の激化、北朝鮮の度重なるミサイル発射など国際的に緊張関係が高まるなかでの開催となるG7広島サミット。露木長官はこうした点について、「国際テロ、サイバー攻撃の脅威を想定せざるを得ない。国内の極左暴力集団、右翼など既存の警備対象勢力に加え、ローンオフェンダーによる違法行為についても警戒が必要だ」と強調した。

警察庁は昨年7月の安倍晋三元首相銃撃事件後に警護要則を一新。今回のG7広島サミットは安倍氏の国葬儀に次いで2回目の大規模警備となる。露木長官は「国葬儀の警備における教訓を踏まえつつ、警護警備の完全な実施に向けて努めたい」と語った。(大渡美咲)

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