―お互いのお芝居で尊敬できる部分は?
犬飼「穣は『種をあやしながら』みたいなお芝居もすごく多かったと思いますが、『何かをしながら演技をするのは本当に難しい』というのが僕の実感です。それをソツなくこなしている飯島くんはすごいなと思いましたね」
飯島「豊はすごくしっかりした環境で育っていて、作法や座り方などの動作も細かく、動きとか表情の作り方もすごく繊細なんです。そこがすてきだと思いますし、犬飼さんはずっと正座していても何もつらくないような顔をしている。その根性はカッコいいなと思います」
犬飼「でも、(正座し過ぎて)下半身の感覚は常になかったですね(笑)」
―原作でも種くんがかわいいと人気ですが、前山さんとの撮影で印象に残っているエピソードは?
飯島「撮影を重ねるごとに、僕に乗っかってきたりとか、常に近くにいてくれて。『兄として認識されてきた』と徐々に思ったので、それはうれしかったですし、すごくかわいかったです」
犬飼「クランクアップした時に、一人一人に書いてくれた手紙にすごく心が温まりました。種くんは助監督さんとよく取っ組み合いをしていたのですが、助監督さんへの手紙の中で『戦ってくれてありがとう』と書いていて、それがすごく自分の中で印象に残っています」
犬飼貴丈の地元、徳島県で撮影 エピソードを語る
―全10話の中でだんだん豊と穣の距離が近づいていくと思いますが、そのお芝居はどのように組み立てていきましたか?
犬飼「僕だけだったらしっちゃかめっちゃかになっていたかもしれませんが、飯島くんや監督がすごく緻密に考えてくださったので、逆に僕はすごく助かって、その流れに身を任せるだけで良かった感じです」
飯島「僕も監督の意見を参考にしつつ、全10話の中で、穣のことを強く意識をする場所を踏まえながら、わりと序盤からさりげなく(演技を)積み重ねていきました」