ロシアによるウクライナ侵略で、露軍側で参戦している露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏は18日、交流サイト(SNS)上で「5月中旬までにワグネルの兵士を3万人増やす計画だ」と述べ、勧誘活動を進めているとする声明を発表した。声明は、東部ドネツク州バフムトなどでの戦闘で多数の兵士を失っているとされるワグネルの損耗を裏付けた。
ワグネルに関し、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は2月、露刑務所で勧誘した4万人の囚人を含む5万人をウクライナに派遣していると指摘した上で「3万人以上の死傷者が出ている」とする推計を公表。英国防省も同月、「戦線に投入した囚人の半数以上が死傷した」との分析を示した。
一方、プリゴジン氏は同月、「囚人の勧誘を停止した」と表明。囚人の勧誘を許可していたとされる露国防省とワグネルの対立の強まりに加え、勧誘可能な囚人の減少などが要因だとする観測が出ていた。
前線の戦況に関し、ウクライナ軍は今月18日、「バフムトで露軍は消耗し、攻勢が徐々に弱まっている」との見方を示した。ウクライナメディアが伝えた。