いま日本で生産されるしょうゆのうち、昔ながらの木桶(きおけ)で作られているのはたった1%。ステンレスやホーローなどのタンクが主流だが、木桶にすむ微生物の力がないと出せない、独特の味と香りがある。
しかしながら、桶職人は「絶滅危惧種」。木桶は一度作れば100年もつといわれるが、このままでは修繕する人もいなくなる。
木桶づくりの伝統技術と、日本の食文化を未来へつなごうと、小豆島(香川県)のしょうゆ職人らが最後の大桶職人に弟子入り。幾多の困難を乗り越えながら、桶づくりの輪を全国に広げていった奮闘記。(岩波ジュニア新書・946円)