こんにちは。内田友賀です。
春になると、愛犬とお出かけしたくなりますよね♡ 春はドッグラン利用者も増え、知らないワンコと出会うことも多いシーズンです。
さて、ドッグランというと日頃の運動不足を解消するために、思いっきり走り回らせる。そんなイメージがある方も多いのではないでしょうか?
今日は海外の事例も交えながら、より安全にドッグランを楽しむためのお話をさせていただきます。
海外のドッグランは違う?
海外では、意外な理由でドッグランを利用する人も多いそうです!
海外の犬文化にも詳しい須崎ドッグトレーナー(ぽん太の先生)に、その様子を聞いてみました。
(愛犬はジャーマン・ピンシャーのFIDO君 )
例えばニューヨークのドッグランでは、犬同士そして飼い主同士のコミュニティの場としても活用されているそうです。そして飼い主は、犬同士がどのようなコミュニケーションを取っているのかを観察しています。みんなで犬たちのコミュニケーションを見守りながら、犬について情報交換することで、犬たちの安全を守りながら学びの場にもなっています。
遊んでいる犬もいれば、飼い主の近くでくつろぐ犬もいる。
全ての人と犬が「他者」という存在を意識しながら、おのおのの方法でノンバーバル(非言語的)コミュニケーションを楽しんでいるのです。
写真はカナダのバンクーバーにあるドッグラン(現地ではドッグパークと呼ぶそうです)。ビーチの一角をそのままドッグパークにしている自然たっぷりの遊び場です。
ほら、日本とは少し様子が違いますよね?
(海外写真提供:須﨑大さん)
ドッグランに潜む危険とは?
さて、日本の話に戻ります。
ドッグランは安全というイメージがありますよね。そのイメージの根本は「リードを離しても、柵の外には出ない」という点です。しかし、その空間に別のワンコが存在した時点で「ケンカや突発的な事故(犬同士がぶつかって怪我をする)」という危険性が生まれているのです。
犬は本来、ボディランゲージを上手に使いながら、常にたくさんの情報交換、いわば会話をして空間を共有しています。しかし、他の犬との社会化経験が少ない犬は、そのサインを理解したり、自分の気持ちを“犬語”で伝えられなかったりすることで、本来は回避できたはずのトラブルが生まれてしまうことがあります。
また、飼い主が、愛犬のボディランゲージを日ごろ観察していないことで、愛犬のSOSや怒りのサインに気づけず、事前に回避してあげることができないパターンも多くあります。
つまり、1頭で遊ぶには最高の環境ですが、知らないワンコが入ってきたら、危険がたっぷりの環境だということを知っておいてほしいと思います。ですので、目を離すことなく愛犬の様子を観察し、危険回避ができるようにしておきましょう。
そして仲良く遊べたら、愛犬から溢れ出るたくさんのボディランゲージをキャッチしてみてください。きっと、今まで知らなかった愛犬の豊かな表現力に出会えると思います。
日ごろから、観察をしましょう
家族とばかり過ごしてきた愛犬を、突然たくさんの犬がいるドッグランに、ノーリードで離したら、どんな気持ちになるでしょうか。きっと、ラグビーの試合中に突然グラウンドに立たされた気分でしょう。しかし、無作為に走っているように見えるラグビーも、選手間ではしっかりコミュニケーションが取れているように、「そこに参加する」ためには、その「会話に参加」できる必要があります。
そこで大切なのが、まずは飼い主さん自身が、愛犬が日ごろから発する様々なサインをキャッチしてあげることです。目線、体の動き、躍動感、毛、耳、しっぽ、あらゆるところから溢れ出る彼らの感情や意志に敏感になってみてください。
特に、お散歩中にはそれが活発になるタイミングです。外の刺激をたくさんうけて、一瞬一瞬で変化する愛犬からのメッセージ。そこから、愛犬が出す恐怖や緊張などのボディランゲージをいち早く察知できるようになることで、愛犬の個性や性格を知り、その改善法も見つけてあげられるようになります。
経験値を積む生活の工夫を
ショック療法のように、嫌がる愛犬を何度もドッグランに連れていくことで慣れさせる方法よりも、愛犬が「大丈夫」と自信を持てる経験値をたくさん積んであげたいですね。
そのために、例えば犬とすれ違うのが苦手な子の場合は、ストレスサインが出たら声がけをして、相手の犬に気を取られないように、こちら側の魅力度をたっぷり上げて通過してみましょう。おやつを使ってもOK。もし上手にスルーできたら、興奮させないように優しく褒めてあげてください。
さらに、犬に友好的なワンコに協力してもらって、少しずつ「犬慣れ」をしていくことも大切。犬同士のコミュニケーション方法を知っていくことで、上手に意思疎通が図れるようになると思います。
少しずつ苦手なことを克服し、経験値を積んでいくことで「心の器を広げる」。
そして、その成長を共に喜ぶ。
そんな気持ちで日々の生活を送ってほしいなと思います。
ドッグランで遊べることだけが、愛犬の喜びではない
最後にお伝えしたいのは「ドッグランで上手に遊べることだけが全てではない」ということです。ドッグランに行かないと解消できないようなことも、そんなにありません。
無理に慣れさせることより、愛犬と飼い主さんが、もっと向き合って充実した時間を過ごせる遊び方を見つけてあげてください。
例えば、知らない街を探検してみたり、一緒にキャンプに行ってみたり。愛犬の心と体を適度に刺激しながら、ぜひ、あなたたちだけのスペシャルな時間を見つけてみてください♡︎
Lots of Love.
監修 by DAI SUZAKI