季語の現場を求めて全国を巡り歩き「証言・昭和の俳句」などの著作でも知られた俳人でエッセイストの黒田杏子(くろだ・ももこ)さんが13日、脳内出血のため甲府市の病院で死去した。84歳。葬儀は近親者で行った。喪主は夫、勝雄(かつお)氏。
戦時中の疎開を機に高校卒業まで栃木県で育ち、東京女子大で山口青邨に師事して俳句を始めた。広告会社の博報堂に入社、句作をいったん中断したが30歳を前に青邨に再入門。第1句集「木の椅子」で現代俳句女流賞と俳人協会新人賞を受賞した。
平成2年に俳誌「藍生」を創刊して主宰。句集「一木一草」で俳人協会賞、「日光月光」で蛇笏賞。現代俳句大賞や桂信子賞も受賞した。