JR田沢湖線の新駅「前潟駅」(盛岡市)が18日、開業した。JR盛岡支社管内の在来線で25年ぶりとなる新駅は、地元住民の23年がかりの運動で開設にこぎつけた待望の請願駅で、盛大に開業を祝った。
前潟駅が誕生したのは平成12年に地元町内会が盛岡市に新駅の陳情書を提出したのが始まり。イオンモール盛岡に隣接する新駅周辺は住宅も増え続け、交通渋滞緩和と地域活性化の切り札として期待を集め、住民運動が続けられてきた。
盛岡市はこれを受けて令和2年、JR盛岡支社に新駅開設の請願書を提出、新駅は盛岡市がイオンモールからの企業版ふるさと納税2億円と国の交付金2億6千万円を含む約11億円を拠出して整備された。
4両が停車できるホームと待合室(約15平方メートル)の無人駅で、トイレや駐輪場もあり、入り口からホームまでスロープも設置、バリアフリーにも配慮している。初日は新駅前で開業セレモニーが開かれた。
盛岡市の谷藤裕明市長、JR盛岡支社の久保公人支社長、地元住民団体の代表らがテープカットで開業を祝った。最寄りの小岩井駅から上り列車を利用した女性(71)は「これまではバスが430円。それが半分以下の210円。買い物の回数が増えそう」と笑顔で話していた。