岸田文雄首相は18日、ドイツのショルツ首相と公邸で会談した。その後、両首脳と主要閣僚が参加する「政府間協議」の初会合を官邸で開き、中国を念頭にサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化など経済安全保障分野の協力強化で一致した。ドイツと日本は昨年と今年の先進7カ国(G7)議長国で、5月に広島市で開く首脳会議(サミット)に向けた連携も確認した。
岸田首相は会談で、「日本とドイツはかつてないほど強固な関係を維持できている」と強調。ショルツ氏も「両国間の協力を続けたい」と応じた。
両首脳はウクライナに侵攻したロシアへの制裁やウクライナ支援の継続を改めて確認し、ロシアによる核兵器の使用はあってはならないとの認識を共有した。
政府間協議では経済安保を中心に議論し、安全で持続可能で強靱なサプライチェーン構築のため、鉱物資源や半導体、電池などの戦略分野の協力強化で一致した。また、国家主導の不正な技術獲得などに対抗することも確認した。中国への機微技術の流出が念頭にある。政府間協議は、日独が幅広い分野で協力するための対話の枠組み。日本側は林芳正外相や高市早苗経済安全保障担当相ら、ドイツ側も副首相や外相、国防相などが出席した。
首相は共同記者会見で、「産業立国であり、基本的な価値を共有する日独が経済安全保障分野で主導的な役割を果たす必要がある」と述べた。