フィリピンを拠点にした特殊詐欺事件に絡み、警視庁捜査2課は17日、窃盗容疑で、同国から強制送還されたグループのメンバーだった山田李沙(りさ)容疑者(26)を逮捕した。このグループは、一連の広域強盗事件で「ルフィ」などと名乗る指示役とみられる渡辺優樹容疑者(38)らが組織していた。
捜査関係者によると、山田容疑者は、グループの中で、日本国内の高齢者宅などに噓の電話をかける「かけ子」とみられる。今年1月にフィリピン当局に身柄を拘束され、入管施設に収容されていた。
警視庁は今月16日に山田容疑者の移送を受けるために捜査員を現地に派遣。17日午前に現地をたち、日本へ向かう航空機内で逮捕状を執行した。
捜査関係者によると、フィリピン国内には、他にも渡辺容疑者らのグループのメンバーとみられる男女数人が拘束されており、それぞれ移送に向けた調整を進めている。
警察当局によると、グループの被害額は全国で60億円以上になるとみられている。警視庁は渡辺容疑者ら4人も現地から移送後、いずれも特殊詐欺に絡む窃盗容疑で2回逮捕している。