財務省と金融庁、日銀は17日、国際金融市場に関する情報交換会合を財務省で開いた。米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻以降、世界的な金融システム不安が起きていることへの対応を協議。財務省の神田真人財務官は終了後、「市場がさまざまなリスクを抱える中で政府と日銀が切れ目なく緊密に連携を図り、対応に万全を期すことが重要だ」と強調した。
10日にSVBが経営破綻して以降、米国やスイスでは金融機関の経営難が相次いでいる。国内への影響も懸念されるが、神田氏は、日本の金融機関には充実した資本があることなどを踏まえ「金融システムは相対として安定している」との認識を示した。一方で「リスクを念頭に置き、内外の経済金融市場の動向や日本経済への影響について強い警戒心をもって注視していく」とも述べた。
情報交換会合の開催は昨年9月以来、約6カ月ぶり。神田氏のほか、金融庁の中島淳一長官、日銀の内田真一理事らが出席した。
一方、岸田文雄首相は17日の記者会見で、世界的に金融システムへの不安が広がっていることに関し「内外の経済金融市場の動向や実体経済、金融システムの安定性に与える影響などについて、強い警戒心を持って注視したい」と述べた。
また首相は、国内金融機関は「総じて充実した流動性、資本を維持しており、金融システムは総体として安定している」と指摘。財務省と金融庁、日銀による17日の情報交換会合で「政府と日銀の緊密な連携を確認した」と強調した。(松崎翼)