主張

任意の議員辞職 民主主義の根幹ゆがめる

産経ニュース
参院本会議で政治家女子48党のガーシー議員を除名とする懲罰案の投票を数える職員ら=15日午前、参院本会議場(矢島康弘撮影)
参院本会議で政治家女子48党のガーシー議員を除名とする懲罰案の投票を数える職員ら=15日午前、参院本会議場(矢島康弘撮影)

ガーシー前参院議員の除名、議員資格の失効は、極めて慎重な手続きのもとで決定された。選挙で選ばれた議員の身分、資格、職責が非常に重いものだからだ。

ところが、慎重な手続きを経ずに議員資格を失わせる構想を、れいわ新選組は表明している。

水道橋博士氏の参院議員辞職に伴う繰り上げ当選枠の議席を比例代表で落選した5人に交代で担わせるという「ローテーション制」は議員個人に与えられる身分、資格の付与、剝奪を政党が恣意(しい)的に行おうとするものだ。

「辞職は議員本人の意思である」と説明されるだろうが、れいわとしてローテーション制を打ち出した段階で、その実態は政党による議員資格の管理であるとみなされよう。

また、ローテーション制に対する与野党からの批判に対し、山本太郎代表は「憲法に議員が(任期の)6年間最後まで務めないと駄目とは書いていない」と主張している。この考えは、民主主義と選挙の理念を根幹からゆがめる危険性をはらんでいる。

有権者から選ばれた者が議員活動を行うことで、議会に民意を反映させるのが、選挙の基本理念である。不祥事などで辞職する場合を除き、任意による議員辞職が無条件で是認されれば、有権者に選ばれた者と議員活動を担う者が別人物になる事態に歯止めがかけられない。

任期が明示された選挙では、立候補者、当選者は任期と職責を全うする意思があると考えるのが自然であり、良識というものだ。

憲法や公職選挙法に明文化されていなくても、あらゆる選挙はこの良識に立脚している。

山本氏はすでに「任意の議員辞職」を実行し、衆院から参院へ転身した。その結果、「山本太郎」を前面に出して衆院選で獲得したれいわの議席と、山本氏の現在の参院議席が同時に存在する。

この方式を徹底すると1人で国会に3議席を獲得することも可能だ。これが横行すれば、二院制の意義や幅広い議論の機会が損なわれかねない。

法や制度の不備を突いて不当な利益を得たり、社会秩序を乱そうとする組織、個人はいつの世にも存在する。れいわと山本氏には良識を求めたいが、憲法を含めた法体系と制度の見直しが法治国家として必要不可欠である。

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