国の文化審議会は17日、山形県尾花沢市の銀山温泉街にある旅館「古勢起(こせき)屋本館」を登録有形文化財(建造物)にするよう文部科学相に答申した。国土の歴史的景観に寄与しているとした。
尾花沢市教委によると、古勢起屋本館は、銀山温泉街にある木造3階建ての温泉旅館で、大正3年の建築。昭和7年には2階建てを3階建てに増築され、しばらく使用されていなかったが、令和4年に改修され、旅館として営業している。
1階表通りに浴室を構える銀山温泉旅館の特徴があり、玄関構えと2階、3階の正面向きの縁側が温泉街の風情を形成する。2階、3階には、鏝絵も描かれている。銀山温泉街には、大正14年建築の能登屋旅館が平成9年に登録有形文化財に登録されたのに続き、2件目。
尾花沢市教育委員会社会教育課の大崎みちよ係長(45)は「銀山温泉街が全国的にも有名になる中、新たな付加価値が加わることと思う」と話している。