生活保護費を不正受給したとして、詐欺罪に問われた新型コロナウイルスのワクチン接種に反対する団体「一般社団法人神真都(やまと)Q会」代表理事、村井大介被告(53)の初公判が17日、大阪地裁(御山真理子裁判長)で開かれた。村井被告は起訴内容の認否を留保し、弁護側は無罪を主張した。
検察側の冒頭陳述によると、村井被告は令和4年4月、生活保護を受給していた大阪市此花区から届け出せずに堺市内に転居。団体への寄付金が入金された村井被告名義の銀行口座から約400万円を引き出し、新居での家電製品の購入などに充てていたのに収入として申告していなかったと主張した。
一方、弁護側は口座は団体のもので、支出は全て団体の活動に使われたと反論。堺市には団体の活動拠点を移転させただけとして「収入や転居の事実はない」と述べた。
起訴状などによると、昨年4~7月、約400万円の収入を得ていたにもかかわらず、大阪市此花区に虚偽の申告をし、4回にわたって生活保護費計約51万円を詐取したとしている。
神真都Q会は「コロナウイルスは存在しない」などと主張する団体で、村井被告が実質トップとみられる。大阪や東京など全国でワクチン接種に反対するデモを開き、昨年12月にはメンバーら5人が接種会場などに押し入り抗議活動を行ったとして建造物侵入罪で執行猶予付きの有罪判決を受けている。