将棋の菅井竜也八段(30)が16日、東京都内で指された第8期叡王戦挑戦者決定戦で先手の永瀬拓矢王座(30)に133手で勝利し、藤井聡太叡王(20)=棋聖・竜王・王位・王将との5冠=への挑戦権を獲得した。
終局後に会見した菅井八段は5年ぶりとなるタイトル戦に「信じられないというか、最近の自分の調子で挑戦できると思っていなかった。タイトル戦にはずっと縁がなかったのでようやくチャンスをつかめた。一生懸命頑張っていいシリーズにしたい」と心境を告白。2019年の第4期叡王戦では永瀬王座に敗れて挑戦に一歩届かず、「自分の中では一番の強敵なので苦しい戦いになると思っていた。今日負けると相当、自分の棋士人生としてはきついものになると思っていたので、気合いが入っていた」と〝背水の陣〟だったことをうかがわせた。
菅井八段は振り飛車党で知られるトップ棋士。藤井叡王がタイトル戦で対戦する振り飛車党の棋士は初めてで、振り飛車党が出場したタイトル戦は2020年の王座戦に挑戦した久保利明九段(47)以来。菅井八段は「今の最強棋士に振り飛車がどこまで通じるか。将棋ファンの方は振り飛車党が多い。今の時代は振り飛車党は厳しいが、十分勝負できるということを見せたいなと思う」と力を込めた。
叡王戦五番勝負の日程
第1局 4月11日 江戸総鎮守 神田明神(東京都千代田区)
第2局 4月23日 名古屋東急ホテル(名古屋市)
第3局 5月6日 か茂免(名古屋市)
第4局 5月28日 浄土ヶ浜パークホテル(岩手県宮古市)
第5局 6月17日 柏の葉カンファレンスセンター(千葉県柏市)