3月15日に行われた参院本会議で、政治家女子48党(旧NHK党)のガーシー参議院議員(東谷義和・51才)の除名が可決された。議員資格を喪失させる「除名」処分は、最も重い懲罰にあたる。今回が72年ぶり戦後3例目で、国会欠席を理由とした除名は初めて。ガーシー氏は「国会に登院しないことを公約に当選した」と弁明していた。
ガーシー氏は海外から帰国せず、昨年7月の初当選以来、国会に一度も登院していなかった。参院懲罰委員会は今年2月、同氏に「議場での陳謝」を科したが、それにも応じなかった経緯がある。当時、ガーシー氏は「僕は帰国しません。今帰るのが時期尚早だと、僕は判断したわけです。僕だけじゃなく、僕のスタッフも含め、僕の仲間は9割が皆、帰国することを反対しています」とも説明していた。
こうした流れのなかで、ガーシー氏はひそかに除名を回避できないかと期待していたという。芸能記者が語る。
「約29万票を得て当選した立場である以上、議員たちによる投票で除名が決まるのは“民意を無視している”というのがガーシーさんの主張です。同じ考えの議員がいるんじゃないかとして、『票が割れるんじゃないかという気も若干する』と配信で語っていました」
ただ、除名の可能性が濃厚であることも理解してはいた。だからこそ本人は帰国し、3月14日の懲罰委員会で弁明するつもりだった。前出の芸能記者が続ける。
「そうすれば除名ではなく、『一定期間(30日を超えない)の登院停止』処分で終わるのではないかと考えたようです。“帰国するする詐欺”と揶揄されていますが、ガーシーさんは本当に帰国したかった。彼は根っからのギャンブラーなので、安全策よりも“こうなったらいい”を優先するところがあるんです。
しかし周囲に猛反対されて、帰国を断念したそうです。帰国をすれば、ガーシーさん本人が逮捕されたり襲撃されるだけでなく、周りの人々にも飛び火するリスクがある。そうしたリスク以上に、母親から『それはイヤや』と反対されたことは、さすがに堪えたようです。ガーシーの炎上のせいで、実家にネット民の“突撃”が来る事態になっていましたからね」
ガーシーにとっては、母親は大切な存在だ。そもそも彼は、YouTuberヒカルに「詐欺師」と名指しされて大炎上したことをきっかけに暴露系YouTuberとなった側面がある。自分が批判されることよりも、実家の住所が特定されて家族が巻き込まれたことへの怒りのほうが大きかったようで、当時、「うちの母親とか実家とか妹とか姪っ子とか関係あらへんやん」「お前が動画を晒したことで家族が巻き込まれた」と訴えていた。
「高校教師だった父親はギャンブルが原因となり自ら命を絶った経緯があるそうで、ガーシーさんは、遺された母親のことを大切にしています。自身もギャンブルで無一文になって父親と同じ道を行こうと本気で考えたそうですが、“母親にまた同じ悲しみを味わわせるのか”という思いで踏みとどまったと聞いています。ちなみにドバイに移って迎えた年末年始、ガーシーさんは現地にお母さんを招待して新年を祝ったとか」(前出・芸能記者)
アウトローも母親には頭が上がらないのだろうか。はたして除名されたガーシー氏の行く末は──。