ロシア国防省は15日、アラビア海のイラン沖で、ロシア、中国、イランの海軍による合同海上軍事演習を開始したと発表した。19日までに終了する予定。3カ国は軍事的連携の強まりを誇示し、いずれも対立する米欧諸国を威圧する思惑だとみられる。
露国防省によると、合同演習には、露海軍から極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」を搭載したフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」などが参加。中国海軍、イラン海軍からも駆逐艦やフリゲート艦が参加し、日中や夜間の射撃訓練や戦闘機動訓練を実施するとしている。
ウクライナ侵略でロシアは、イランから調達した自爆型ドローン(無人機)を使用しているとされる。中国もロシア産の原油や天然ガスの輸入を増やすなどロシアを間接支援。ロシアへの兵器供与に乗り出す可能性も指摘されている。
中露は2月、ともに新興5カ国の枠組み「BRICS」を構成する南アフリカと、3カ国海軍の合同演習をインド洋の南ア沖で実施。アドミラル・ゴルシコフなどが参加した。中露は非米欧諸国との連携を強化し、米欧に対抗していく構えを鮮明にしている。