欧州中央銀行(ECB)は16日の理事会で、0・5%の大幅利上げを決めた。利上げ幅は前回会合で事実上示していた規模。シリコンバレー銀行(SVB)など米銀行の破綻が相次ぎ、スイスの金融大手クレディ・スイスの経営不安が高まる中でも、記録的なインフレの抑制に取り組む姿勢を打ち出した。
ECBは記録的な物価高を抑制するため、2月の理事会で5会合連続の利上げを決めた。主要政策金利を0・5%引き上げ年3・0%にすると決定し、3月会合でも0・5%の利上げを続けるとの考えを示していた。大幅利上げを続ければ景気を冷え込ませるリスクがあるとして一部に慎重な意見もあったが、インフレ抑制を優先させる姿勢を打ち出していた。
ユーロ圏の2月の消費者物価指数(速報値)は、前年同月から8・5%上がった。ECBが掲げる2%の物価目標を大きく上回っている。(共同)